「歯科医師会」と聞いて皆さんは、どんな組織を想像されるでしょうか?神戸市歯科医師会は神戸市内9区にそれぞれある歯科医師会の連合体です。歯科医師会は様々な事業を行っていますが、神戸市歯科医師会の事業内容はいたってシンプルです。「神戸市民の歯とお口の健康に貢献する事業」です。

 「歯科医師法」という法律には歯科医師の任務、すなわちやるべきことを定めています。そこには「歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」とあります。歯医者さんは自分の診療所で患者さんの治療や予防を行っています。もちろんそれは通っている患者さんの健康の向上や増進に貢献しているのですが、それだけで十分でしょうか?健康の向上や増進には、診療室以外のアプローチ、すなわち地域社会におけるアプローチが絶対に必要です。そのための組織が神戸市歯科医師会なのです。

 神戸市歯科医師会では妊婦歯科健診にはじまり、お子さんが1歳6カ月、3歳になった時の乳幼児歯科健診、保育所、幼稚園、小学校・中学校での学校歯科健診、40、50、60歳の節目で行われる歯周病検診、お口の機能を調べるオーラルフレイルチェックなど、幼児から高齢者にいたるまで様々な健診事業を行っています。休日に歯が痛くなったなどの困りごとに対応するため、休日歯科診療所を開設しています。障害をお持ちの方など一般的な歯科医院での治療が困難な方々に対して、特別な配慮をしながら歯科治療を行うこうべ市歯科センターを運営しています。さらに、歯医者さんに通いにくくなった高齢者の方を対象に、訪問歯科診療や訪問口腔ケアを実施しています。

 皆さんが普段通っているかかりつけの歯医者さんの中にも歯科医師会の仕事をされている先生がたくさんいます。診療室の中で頑張っている姿だけでなく、神戸市民のために診療室の外で頑張っている姿も是非想像してみてください。歯医者さんに対する見方も少々変わるかもしれません。